カテゴリー: お知らせ

2019/10/17

兵庫「竹中大工道具館」視察レポート

山本建築の代表・山本真毅です。以前に大阪「岸和田だんじり祭」のレポート(http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/?p=5631)をお伝えしましたが、実は少し足をのばして兵庫県神戸市にある博物館「竹中大工道具館」にも立ち寄ってきました。今回はその模様をお届けしたいと思います。

1610年(慶長15年)に創業した建設会社・竹中工務店。さまざまなテクノロジーの発達に伴って消えていく大工道具を、民族遺産として収集・保存・研究・展示を通じ、後世に伝えていくという目的で、竹中工務店が「竹中大工道具館」を1984年(昭和59年)に設立。

2014年(平成26年)には、新神戸駅の近くに移転し、リニューアルした「竹中大工道具館」。入り口の門の前に来ただけで、建築士として、また職人としての本能から、見るべき点や勉強になる点が多く、足が止まって前に進めない状態になりました。

外観・内観ともに和モダンでまとめてあり、無垢の木肌とブラックの構造体、手入れの行き届いたお庭の緑などが調和していて、とても心地の良い空間でした。メイン展示には、原寸大の組物模型があり、構造やデザインなど先人の知恵や技術の素晴らしさに屋台製作を営む者として、非常に圧倒されました。

昔の大工道具が所狭しと並んだ展示では、それぞれの使い方などの詳しい説明も。今では使用していない祖父の道具箱に入っていた大工道具が、実際にどのように使われていたのか、お恥ずかしながら初めて理解できたものも何点かありました。

そのような大工道具を巧みに使い分けて、法隆寺や薬師寺を改修した宮大工・西岡常一氏の仕事の流儀にも、改めてとても感銘を受けました。

今回、伝統技術や社寺建築の基本を再確認できました。本質を理解しないまま新しい形をつくり出すことはできませんね。「竹中大工道具館」は、自分の仕事の悩みが全て消えて無くなるような場所かもしれません。

現代の家づくりでは時代の変化とともにさまざまに進化していますが、先人たちの志や功績に触れて、改めて大事なことは昔から変わらないのだと安心しました。今後も家づくりや祭り屋台づくりで、自分の信じる道を歩んでいきたいと思います。

2019/10/10

建造実績・二輪屋台:袋井市本町中央町西「声奏鶴」後編

前回(http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/?p=5646)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として、袋井市本町中央町西「声奏鶴(聲奏鶴)」の二輪屋台のご紹介です。

現在の四代目となる屋台は、1994年(平成6年)に建造され、1996年(平成8年)には漆塗りも施されました。

当時の袋井市内では初の螺鈿(らでん)の四本柱を備えた他に、屋台上部の浜縁床や車輪などにも飾り金具を施し、豪華に仕上げられています。

柱の部分の金物は透かし彫りで、螺鈿をより一層引き立てているのも特徴です。車輪も輪板を七枚使った大七車となっているのもポイント。

正面の欄間には、“鶴乗仙人”を中心に二羽の鶴。合計三羽の鶴で、本町、川原町、中央町の結束を表しています。後ろの欄間には、お囃子を奏でる唐子も。隅木には珍しい牡丹の彫刻。また、その下の隅木には、牡丹を口に咥えた獅子を配置。

支輪には、ウズラやニワトリなどの各種の鳥たちも。虹梁には四神である青龍、朱雀、白虎、玄武。太鼓台には“次郎柿を取る猿”の彫刻も施されています。

また障子の腰彫も枠いっぱいに広がっているなどの特徴があり、細部までこだわりが沢山詰まった二輪屋台に仕上がっています。

ホームページには、他にもこれまで山本建築が手掛けてきた多くの祭り屋台をご紹介しています。宜しければ、そちらも是非チェックしてみてください。

【建造実績一覧】
http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/works/

2019/10/03

建造実績・二輪屋台:袋井市本町中央町西「声奏鶴」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は袋井市本町中央町西「声奏鶴(聲奏鶴)」の二輪屋台です。

初代の屋台は江戸時代の天保(1830年~1844年)の頃に存在していたらしいですが、資料がなく正確なことは分かっていません。二代目は、1890年(明治23年)に建造。

三代目は、1915年(大正4年)に掛塚の船大工に依頼して、徐々に彫刻が加わって1922年(大正11年)に完成。現在の四代目となる屋台は、1994年(平成6年)に建造されました。

四代目の屋台本体は山本建築が手掛け、彫刻は井波彫刻の伝統工芸士・池田誠吉(富山県南砺市)が携わっています。

屋台の名称「声奏鶴」は、地元にある白鬚神社の本殿にある“鶴乗仙人”にちなんで、曹洞宗の寺院・可睡斎(かすいさい)の11代目の住職・仙麟等膳(せんりんとうぜん)和尚が命名したという口伝もあります。

彫刻は白鬚神社にある“鶴乗仙人”を欄間に、同様に“亀乗仙人”と“鯉乗仙人”を御簾脇に再現してあるのも大きな特徴となっています。その他に、脇障子の表には獅子の子落とし、裏には唐子と松の彫りも。

今回はここまでですが、次回はさらに細部までこだわりの詰まった彫刻や螺鈿(らでん)、金物などを詳しくご紹介していきます。

2019/10/01

大阪「岸和田だんじり祭」視察レポート

山本建築の代表・山本真毅です。今回、ご縁があって大阪「岸和田だんじり祭」の視察に行ってきました。そのレポートをお届けしたいと思います。

現地に行ってみて感じたのは、森町よりも人口が多く新しい町並みでしたが、一歩路地に入ってみると、昔からの旧家が点在していて、どこか森町にも似た空気が漂っていたこと。また、至るところに誇らしげに、ご祝儀の看板が掲げられ、祭典の活気がみなぎっていました。

屋台や山車は地車と呼ばれ、各町内がそれぞれに合わせた正装に身を包み、真剣な眼差しで統制の取れた曳き廻しは見応えがありました。曳き廻しの際は常に全力疾走で、試し曳きを含めた三日間合計で、フルマラソンに近い距離を走破することもあるようです。

何台もの地車が猛スピードで町中を駆け抜ける光景は、まるでF1のモナコ・グランプリのようでした。参加者たちは、ほとんど酒を飲まないで、休憩でも差し出された飲み物の多くがスポーツドリンクだったのは驚きました。

若衆の中には複数の豆が裂けて、手のひら全体が血だらけになっている方も。そうまでして、祭りに挑む姿は凄まじかったです。

地車は総ケヤキづくりで、重量は約4トン。形状は遠州地方にはない二重屋根で、特に破風の曲線が非常に魅力的です。理屈抜きに、ただただ格好良いですね。出組も細かく屋根を除いたあらゆる箇所に彫刻が施され、町内の想いが吹き込まれています。

遠州地方の屋台の車輪は大八車が多いですが、地車の車輪は直径60センチ程のマツを輪切りにして、形状を整えたコマと呼ばれるもの。静岡県内ですと藤枝市や島田市の屋台と同じ形状です。

屋台小屋の構造も勉強になり、目から鱗の視察となりました。異なる地域の文化や技術に触れて、改めて祭り屋台を製作する大工職人としての務めと誇りを見つめ直す素敵な時間を過ごすことができました。今後も町内の皆様が求める最高の屋台や山車をつくり上げていきたいと思います。

2019/09/26

建造実績・四輪屋台:磐田市蛭池「北連」

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は磐田市蛭池「北連」の四輪屋台です。

現在の屋台は、1993年(平成5年)に建造されました。当時の地域名は、磐田郡福田町蛭池。屋台本体は山本建築が携わり、彫刻は井波彫刻の伝統工芸士・池田誠吉(富山県南砺市)が手掛けています。

懸魚は鳳凰で、鬼板には龍。妻部分には菖蒲(しょうぶ)を配置。菖蒲は葉が剣の形で香りが強く、邪気を払うとされています。欄間は躍動感のあふれる唐獅子牡丹。一つひとつ立体的に仕上げられた透かし彫りがポイントです。

腰彫りには波に千鳥。袖には鶴が彫られているのも特徴で、鶴の長い足が縦の彫りに調和してバランス良く収まっています。

2018年(平成30年)には、祭典の際に乗り降りの機会が多い屋根を中心に、メンテナンスも実施。町内の皆さんの大切な文化財でもある四輪屋台を、末長く安全に曳き回していただけるように点検いたしました。

今後も、祭り屋台の建造やメンテナンス、太鼓台や提灯台といった各種の関連製品など、ご関心や気になる点がありましたら、山本建築までお気軽にご連絡ください。

2019/09/19

建造実績・四輪屋台:磐田市豊浜小島方「小島方連」

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は磐田市豊浜小島方「小島方連」の四輪屋台です。

現在の屋台は、1992年(平成4年)に建造されました。当時の地域名は、磐田郡福田町豊浜。屋台本体は山本建築が携わり、彫刻は古村木材工芸所(富山県高岡市)が手掛けています。

懸魚には動きのある鳳凰、鬼板には龍。前後の妻の部分には縁起物である扇子が広がっています。前と同様に後の懸魚に鳳凰、鬼板には龍が彫られていて、袖には竹林に鳥の彫刻が施されています。

欄間には四神である青龍(せいりょう、せいりゅう)、白虎(びゃっこ)、朱雀(すざく)、玄武(げんぶ)を配置。ちなみに四神とは、天の四つの方位をつかさどる神様。方角との組み合わせは、東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武となります。

各所には彫金も施されて、きらびやかさが増しているのもポイントです。町内の皆さんの思いとともに、伝統的な技術が詰まった四輪屋台が完成しました。

その後、2010年(平成22年)には車輪を中心に屋台の点検も実施。山本建築では、祭り屋台の新造の他にもメンテナンスや修理を行なっています。お困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

【ホームページからのお問い合わせ】
http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/contact/

2019/09/12

建造実績・二輪屋台:袋井市上山梨入古町「栄西館」後編

前回(http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/news/190905/)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として、袋井市上山梨入古町「栄西館」の二輪屋台のご紹介です。今回は各所に取り付けられた彫刻を中心に詳しくお伝えします。

二代目となる屋台は、1992年(平成4年)に建造され、1994年(平成6年)には漆塗りも施されました。屋台の名称「栄西館」の由来となる栄西禅師像が正面中央の支輪に彫られている他にも、各所に彫刻が配置されています。

支輪には栄西禅師を中心にして、十二支も。御簾脇の右側は、町内の安全や各家庭の幸せを願って、悪魔退散・招福の豆まき、左側には疫病神を追い払う魔除けの神様である鍾馗。脇障子の透かし彫りの背面には静岡県を代表する農作物のお茶の花も。

木鼻は前に龍、後は貘。欄間は正面に子曳龍、左右に裸龍、後に麒麟。腰欄間にも飛龍の彫刻が施されています。

それぞれの職人たちの技術力と芸術性、町内の皆さんの気持ちが注ぎ込まれた二輪屋台が完成しました。ホームページには、他にもこれまで山本建築が手掛けてきた多くの祭り屋台をご紹介しています。宜しければ、そちらも是非チェックしてみてください。

【建造実績一覧】
http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/works/

2019/09/05

建造実績・二輪屋台:袋井市上山梨入古町「栄西館」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は袋井市上山梨入古町「栄西館」の二輪屋台です。

初代の屋台は、1902年(明治35年)に入古町45世帯の協力によって、当時としては大金となる147円36銭で建造されました。その後、約90年の長い風雪に耐えたことによる老朽化に伴い、現在の屋台が1992年(平成4年)に新造。

二代目となる新しい屋台は総ヒノキづくりで、長さ約5.7メートル、高さ約3.9メートル、幅約2.5メートルと遠州地方の二輪屋台ではトップクラスの大きさも特徴になっています。大きな姿による迫力や雄壮さがポイントです。

屋台本体は山本建築、彫刻は志村孝士(二代目・流張、福井県三国町)、車輪は村松利雄、建具は長谷川恵一(袋井市)が手掛けています。お引き渡しの際には山本建築の工場内に多くの方々が集まり、祝いの宴席も設けられました。

屋台正面の支輪には「栄西館」の名称の由来となる日本における臨済宗の開祖・栄西禅師(1141年~1215年)の彫刻も。その他にも屋台彫刻の持つ伝統的で文化的な主題と同時に後代の人たちに分かりやすく親しみの持てるモチーフの彫刻が各所に配置されています。

各所の詳しい彫刻については、次回の記事にてご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

2019/08/29

屋台建築を活かした“祭り街道の家づくり”

1957年創業の山本建築では、遠州地域の屋台づくりのお手伝いをさせて頂いています。町衆の心意気や各地区の屋台の競り合いなども見られる祭典。お祭りの盛んな地域だからこそ、自分自身の住まいにも屋台建築を取り入れたいという方もいらっしゃいます。

今回はそこで屋台建築を活かした山本建築の家づくりをご紹介します。地域密着で歴史と技術を持つ地元の大工だからこそできる家づくり、題して“祭り街道の家づくり”です。

過去に手掛けた森町のH様邸は、伝統的な屋台装飾を各所に取り入れた町家風の家。風情の漂う町家や蔵をイメージした外観。玄関庇の上には魔除けの神様・鍾馗(しょうき)様の鋳物も配置しています。

玄関の上がり框(がまち)の部分には、屋台風の組み方で仕上げてあります。お施主様のご出身の地域の屋台の要素を取り入れた組み方などにアレンジして、こだわりを反映させることも。

和室には屋台彫刻の装飾を施した欄間。その下には幸せが広がるようにと左右に開いた扇のデザインの建具も。自宅内で豪華絢爛な屋台の雰囲気を存分に味わえるのも大きな魅力です。

屋台建築を活かしたスタイルに家全体を仕上げることも可能ですし、和モダンでおまとめしたり、和ブースを配置して一部にこだわりを詰め込んだりといった形にすることもできます。

山本建築の家づくりのホームページにはさまざまな注文住宅の施工事例を豊富な写真とともにご紹介しています。是非そちらもチェックしていただけたらと思っています。

【山本建築の家づくりの施工事例】
「森町H様邸:屋台装飾を施した町屋風の家」
http://kumu-house.jp/work/originalhouse_020/
「森町S様邸:懐かしさを感じる古民家風の家」
http://kumu-house.jp/work/originalhouse-016/
「袋井市Y様邸:細部までこだわった優しい光の家」
http://kumu-house.jp/work/originalhouse_001/

2019/08/22

建造実績・四輪屋台:磐田市豊田気賀東「気賀連」

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は磐田市豊田気賀東「気賀連」です。

1992年(平成4年)に完成した四輪屋台の気賀東「気賀連」。屋台本体は山本建築、彫刻は古村木材工芸所(富山県高岡市)、飾り金具は村井金具店(愛知県刈谷市)、車輪は村松勝利が手掛けています。

正面の欄間には気賀東と彫られています。彫刻での文字入れは珍しく、大きな特徴の一つとなっています。その左右には寿老人と福禄寿。御簾脇には恵比寿と大黒。後方の欄間には毘沙門天、弁財天、布袋が配されています。

唐破風屋根の下部の懸魚(げぎょ)には鳳凰、上部の鬼板には龍。両サイドの欄間には龍虎。腰彫りには、飛龍が舞っています。後方部の袖障子には、雲に牡丹。また内部の天井は格天井となっているのもポイントです。

町内の方々の思いとさまざまな伝統技術が詰まった四輪屋台が完成しました。山本建築では、祭り屋台の新造の他にもメンテナンスや修理を行なっています。お困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

【各種のお問い合わせは、こちらから】
http://www.yamamoto-kenchiku.co.jp/contact/