錺金具

錺金具

「錺」という漢字は、「かざり」と読みます。意味は、金属製の装飾細工。屋台を煌めかせる金物の装飾は、古くから錺金具(かざりかなぐ)と表記されてきました。
金鍍金(きんめっき)された錺金具は、非常に華々しく鮮麗です。昔から金・銀・銅として社寺建築などの装飾にもよく採用されています。金具の文字や唐草模様は職人が全て一つひとつ手づくりで仕上げます。美しい模様に、さらにアレンジを加えて、屋台の姿に似合う新しいデザインを産み出します。
錺金具は、数千本のオリジナル鏨(たがね)を巧みに操り、一枚一枚を職人が丁寧に仕上げていきます。それは心の込もった芸術品です。錺金具には色々な技法があり、またそれぞれに特徴があります。素材を裏から叩いて文字を盛り上げる「浮かし文字技法」や、文字を引き立たせるために背景を黒くする「墨差し技法」、他にも「重ね出し」や「切り抜き」など多彩です。
屋台の錺金具や神仏金具の世界はとても深く、日本の古来より美しいとされる模様で漆塗りを引き立てます。付ける位置など、実は一定の法則があります。基本的には左右対称ですが、上下にも同じ位置に付かないと、どこかに違和感が出てきます。人の目や感覚の鋭敏さには、計り知れないものがあります。昔から現代に伝わる文化や技術には、それぞれの淘汰されない理由があり、人間の根源的な部分に訴えかける何かが備わっているのかもしれません。